どんな治療があるの

悪性リンパ腫の治療法

悪性腫瘍の治療には、外科療法(手術)、化学療法(抗がん剤)、放射線療法などがあります。悪性リンパ腫の治療では化学療法と放射線療法をそれぞれ単独で行ったり、併用したりします。臓器などに発生した時は手術を行うこともあります。悪性リンパ腫は抗がん剤や放射線に反応しやすい腫瘍なのです。また悪性度が強い(病期の進行が早いもの)ほど、これらの治療に反応しやすいと言われています。また場合によっては造血幹細胞移植(いわゆる骨髄移植)が行われることもあります。化学療法の初回で強い抵抗性があった場合や、予後不良と判断されるケースに行われたりします。

化学療法

化学療法もたくさんの種類がありますが、最も標準的なのは【CHOP療法】です。3種類の抗がん剤とステロイド剤(免疫抑制剤)を組み合わせて行います。投与間隔は2~3週間おきに、3~8回くらい行われるようです。 B細胞性の悪性リンパ腫の場合はリツキシマブを併用した【R-CHOP療法】が多く行われています。 リツキシマブとは2001年に認可された新しい薬で、B細胞だけにある物質に結合するので、他の細胞への影響は少なく、B細胞を狙い撃ちできるのです。T細胞性、NK細胞性には使うことができません。 悪性度の高いリンパ腫の場合や、患者さんの状態によってはCHOP療法以外の治療法が行われることがあります。標準的な治療では十分な効果が期待できない場合は強力な化学療法が行われることがあります。

CHOP療法のCはシクロホスファミド、Hはドキソルビシン(アドリアマイシン)、Oはビンクリスチン…静脈注射(抗がん剤)、Pはプレドニゾロン…飲み薬(ステロイド剤)

放射線療法

放射線療法は、体の外からガンのかたまりに放射線を当てて、ガン細胞を殺す治療法です。初期やかたまりが小さい時に単独で行われたり、化学療法を組み合わせることもあります。 同じ量の放射線を浴びても、正常な細胞の方が早く回復します。放射線をまとめて1度に当てると周りの細胞も大きなダメージを受けてしまいます。少しずつ当てることで、ガンがじわじわ小さくなる間に正常細胞が回復するので、副作用が軽くてすみます。

放射線治療1日目の照射、ガンのかたまりの表面近くの細胞がダメージを受ける。2日目の照射、表層のガン細胞が死滅し、さらに奥のガン細胞を叩くことができる。3日目の照射、少しずつ放射線が奥に届くようになり、ガンのかたまりが小さくなっていく。

造血幹細胞移植

造血幹細胞移植はもともと、大量の化学療法や全身への放射線療法によって失われる造血機能を助けるために行われていました。しかし移植した造血幹細胞がガンを攻撃することが分かったため、最近では造血幹細胞移植が1つの治療法として行われるようになりました。 造血幹細胞移植は高い効果が得られる反面、副作用がとても強く、重篤な感染症を防ぐための治療が必要だったり、患者側のリスクも大きいです。またHLA(白血球の型)の一致する造血幹細胞を見つけるのが難しいという問題もあります。

方法 メリット・デメリット
自家細胞移植 何度か化学療法を受けて、ガン細胞が減った時に、患者さん自身の血液を採取して造血幹細胞を抜き取り、冷凍保存しておきます。移植前の処置が終わったら解凍して、再び体内に戻します(移植)。 自分自身の細胞なので、拒絶反応などのトラブルがありません。ただ他の方法に比べて、根治率がやや低くなります。化学療法の効果を高めるための補助的な治療法とも言えます。
同種細胞移植 他の人(ドナー)から造血幹細胞を提供してもらいます。兄弟など血縁関係にある人から提供を受ける場合と、非血縁者(骨髄バンク)から提供を受ける場合があります。 自家移植よりも再発の可能性は低くなります。ただ自分のものとは異なるものを体内に入れるため、拒絶反応を避けることができません。GVHD(移植片対宿主病)もかなりの頻度で起こります。 移植関連死亡が40%くらいあると言われています。
臍帯血移植 両親の了解の元で、新生児の臍の緒の血液から採取した造血幹細胞を骨髄バンクに冷凍保存しておきます。同種細胞移植の1種です。 臍帯血から採取した造血幹細胞は免疫反応を起こしにくく、GVHDの程度が軽くなります。ただ臍帯血の量がもともと少ないために、大人の患者さんでは対象になる人が限られます。

白血球の型【HLA】って何?

私たちがよく血液型というのは、赤血球の型のことです。ABO型やRh型などがあります。 造血幹細胞移植で問題になるのは白血球の型です。HLA(Human Leukocyte Antigen:ヒト白血球抗原)は赤血球の型(ABO、Rhなど)よりずっと複雑になります。HLAの型にはA座(27種類)、B座(57種類)、C座(10種類)、DR座(24種類)、 DQ座(9種類)、DP座(6種類)があります。骨髄移植を行う場合、このHLAのA座、B座、DR座の3つの型が一致しなければなりません。1人の人がそれぞれの型について2種類づつ、合計6種類のタイプを持っています。たとえば、両親がHLAのA座、B座、DR座の1座ずつを1組として合計で2組のHLAを持っていると、その子供は父親の1組と母親の1組を遺伝的に受け継ぐため、4通りの組み合わせができます。一致する確率は兄弟姉妹で4人に1人、非血縁者では数百人から数万人に1人になるわけです。

HLAの遺伝

A座 B座 C座 DR座 DQ座 DP座
A1 B5 B49(21) Cw1 DR1 DQ1 DPw1
A2 B7 B50(21) Cw2 DR103 DQ2 DPw2
A203 B703 B51(5) Cw3 DR2 DQ3 DPw3
A210 B8 B5102 Cw4 DR3 DQ4 DPw4
A3 B12 B5103 Cw5 DR4 DQ5(1) DPw5
A9 B13 B52(5) Cw6 DR5 DQ6(1) DPw6
A10 B14 B53 Cw7 DR6 DQ7(3)  
A11 B15 B54(22) Cw8 DR7 DQ8(3)
A19 B16 B55(22) Cw9(w3) DR8 DQ9(3)
A23(9) B17 B56(22) Cw10(w3) DR9  
A24(9) B18 B57(17)   DR10
A2403 B21 B58(17) DR11(5)
A25(10) B22 B59 DR12(5)
A26(10) B27 B60(40) DR13(6)
A28 B35 B61(40) DR14(6)
A29(19) B37 B62(15) DR1403
A30(19) B38(16) B63(15) DR1404
A31(19) B39(19) B64(14) DR14(2)
A32(19) B3901 B65(14) DR16(2)
A33(19) B3902 B67 DR17(3)
A34(10) B40 B70 DR18(3)
A36 B4005 B71(70) DR51
A43 B41 B72(70) DR52
A66(10) B42 B73 DR53
A68(28) B44(12) B75(15)
A69(28) B45(12) B76(15)
A74(19) B46 B77(15)
B47 B7801
B48  

ページトップ

治療で起こる副作用へ進む

Copyright(C)2006-2014 AKIKO. All rights reserved.